読書感想文~平光清・著「審判失格 それでも私は野球が好きだ」を読んでみた。

日本ハムが来るまで北海道の野球中継と言えば巨人戦ばかり。たまに黄金期の西武戦があり、そこで普段なかなかお目にかかれない選手をチェックする・・・当時のパ・リーグなんてその程度の扱いでしたョ。

余談はさておき、こちらの本・・・

審判失格

たまたま北見のブックオフで見つけ購入。

野球を題材にした著作と言えば大抵は選手、監督、OBなど球界関係者か、「ソレってただのファン目線じゃね~の?」って言いたくなるようなスポーツライター(笑)が主流ですが、これは珍しく「審判から見えるプロ野球の世界」が描かれています。

著者は平光清さん・・・おそらく往年のファンには懐かしいお名前でしょう。

六大学、高校、社会人野球での審判経験を経て昭和40年からセ・リーグに所属、数々の名勝負を裁き平成4年に引退、その後の平成6年に書き下ろしたものです。

様々なエピソードとその裏側、現場にいた時のご自身の気持ちやルールの解釈などが軽妙な言葉で綴られてまして、読書スピードが割かし遅めのアタクシでもスラスラと読んでしまいました。

大洋・若菜さんと巨人・中畑さんの本塁クロスプレー・・・当時「珍プレー」の番組で何度も取り上げられたシーンは子供心に覚えています。ボールが脇に挟まり、空のミットでランナー・中畑さんにタッチする若菜さん。ボールの在り処が死角で見えず、球審はアウトを宣告するが・・・という場面です。覚えている方も多いのでは?

その時の審判が平光さん。誤審が起きた原因と、実はその後・・・

そういう話がふんだんに織り込まれております。

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今年行われたWBCはイスラエル代表がまさかの快進撃で盛り上げてくれました。でもまだまだ野球という競技が浸透していない地域はたくさんあります。世界規模への拡大を阻んでいるのがルールの複雑さである、との論調があります。

「世界一ルールブックが分厚いスポーツ」と言われる野球ですが、これまで想定されていなかった事例について協議の上また新しく書き加えられるなど、ただでさえ複雑なモノが日に日に複雑さを増しているのだそうです。

そんな「世界一分厚いルールブック」を頭に叩き込み、瞬時に目の前で起きたプレーを判断し、それにのっとり選手は次のプレーを進行していく・・・常にそれが繰り返されて野球の試合は成り立っているのだと、改めて思い知らされました。

ルールのほか、日本球界史に刻まれた名選手・名監督とのやりとり、そしてプロフェッショナルとしての生き様や苦悩の数々・・・

特に引退するきっかけとなった場面に関しては最後の章で事細かく記されています。

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勝敗が決定付く大事な場面で、今までルールブックに記載されてなかったことが現実に起きてしまい、頭の中で何度もめくり直し下した判定に間違いはないと突っぱねたものの、審判団の協議の結果判定は覆り、当然両軍ベンチとは揉めに揉め、マスコミからは「誤審」と叩かれ・・・

「グランドでは石ころと同じ」と言われる審判ですが、勿論ひとりの人間であり、たった1球の行方をどう判断するかでチームの成績、果ては選手の家庭や生活までをも脅かしかねない、という重圧が常にのしかかっているだなんて・・・全く頭が下がります。

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平光さんは平成23年、73歳で亡くなられております。現在文庫本など再版があるのか微妙ですけど、野球ファンならば是非一度は読むべき!・・・そんな一冊でございます。




読書感想文ですからネ・・・いつものようなオチは無いョ!

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[ 2017/04/18 15:53 ] 童心スポーツ | TB(0) | CM(0)

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